「¿Como le va?」雑記・迷記・うちあけ話
第1回 「迷いだらけの雑誌作り」
「¿Como le va?」をご愛読いただきありがとうございます。おかげを持ちまして、このたび第9号を発行することができました。今号も魅力的な方々にご登場いただいております。ぜひ、お手にとっていただき、お持ち帰りいただき、ゆっくりとお目通しいただければと願っております。
さて、かなり遅ればせながら、ではありますが、取材・撮影を通して出会ったすてきな方々のお話、誌面ではご紹介しきれない取材エピソードなどを、今回より、少しずつご披露したいと思います。まあ、いうなれば、編集長のつぶやきであり、落書きみたいなものだと、時に愚痴もありますが、気軽に読んでいただけますと、ありがたいです。
「¿Como le va?」について多くの方々からご感想、ご意見などをいただいています。その中で、一番多いご意見は「本当に、ただでもらっていいの?」「フリーペーパーとは思えない」といった声です。これは、まさに、編集部が目指したところです。今までにないフリーペーパーを創ろう、最初のページから、最後のページまできちんと読んでいただけて、読み捨てられることなく、保存しておきたいと思っていただける雑誌を創ろう。ここから、「¿Como le va?」は始まりました。創刊号から最新号まで9冊並べてみると、表紙を見るだけでも、なかなか見応えがあるなと自画自賛しております。
創刊にあたっての企画内容はすぐに決まりました。なにしろ、この人いいね、こんな特集がやりたいね、といった誰かの思いつきやひらめきに「それ、いいね」という賛同の声があがると、それが企画になるのです。会議テーブルを囲んで、しかめ面の顔を突き合わせてウーン、ウーンうなりながらの編集会議より、お茶を飲みながら雑談しているときなどに、企画は生まれることが多いようです。自分たちが読んでみたいもの、いいと思ったこと、やりたい企画だけをやる、そこに迷いはありません。ただ、そこから先は迷いだらけです。どうすれば、この企画を誌面上で成立させることができるのか、取材をしながらも常に、これでいいのだろうか、本当に自信を持って、納得した内容で編集できているのか、迷いはつきません。編集者自身が、いい企画だと納得できないものを、読者の方々に満足していただけるはずがありません。僕の仕事は、まず、自分自身を疑ってかかること、疑問を持つことから始まります。
毎回お2人にご登場いただく表紙も、おかげさまで、「¿Como le va?」スタイルだと読者のみなさまからもご好評をいただいていますが、この案も最初は創刊号だけの思いつきで、それを2号目以降も続けていこうなんて考えていませんでした。
表紙を人物でいくことにいたるまでにもさまざまな意見がでました。特集の中から毎号写真を1点選んで表紙にしよう、イラストでいこうという案もありました。
そんなとき、人物インタビューのページに女優浅丘ルリ子さんにご登場いただけることが決まり、特集「箱根」の原稿を作家村松友視(視は正確には示に見です)さんにご執筆いただけることが決定したのです。そこで、ひらめいたのが、浅丘さんと村松さんの2ショットの表紙ということでした。対談企画があってその際の写真を表紙に使うというものではありません。別々の企画にご登場いただくお2人に、表紙のためだけにご一緒していただこうという企画です。
早速、アートディレクターでデザインを担当していただく柳沼博雅さんに相談しました。「¿Como le va?」はいわゆるシニア世代と呼ばれるみなさまに読んでいただければと願って企画した雑誌です。アートディレクターにはぜひとも若い方を迎えたいと考えていました。すぐに柳沼さんの作品が頭に浮かびました。柳沼さんは当時37歳、前年に独立して事務所を構えたばかりです。なぜだか、柳沼さんと一緒に、きっと頭に描いた思い通りの雑誌を創ることができる、と確信に近いひらめきがあったのです。柳沼さんはすぐに表紙のデザイン案を数点試作して見せてくれました。頭に描いたものが、現実のものとなった瞬間でした。
こうして創刊号の表紙が決定しました。そして、最新号の表紙にご登場いただいたのは、女優有馬稲子さんと俳優藤本隆宏さんです。表紙撮影のエピソードなどについてはおいおいご紹介することにしましょう。
「¿Como le va?」編集長
二見屋良樹
