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第34回【私を映画に連れてって!】配信作品は映画ではないのか? [映画]と[ネットフリックス作品]との境目

 1990年代のアメリカのTVシリーズ「ツイン・ピークス」(デビッド・リンチ監督)と映画『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』(同監督/1992)なら、「ドラマシリーズ」と「映画」の明確な別れ目が存在していたが、配信時代になりその境界は作品としてはほぼ無くなってしまったように思う。
 
 今回、NetflixがWBC独占中継権を獲得したり、ワーナーブラザーズの買収に動いたのも、Netflix独自(独占)の作品、番組が増えることが、有料会員の満足度を高め、かつ新規の加入を求めることは当然のことと言えるだろう。

 ただ、ぼくも映画の作り手の一人として日々、考えざるを得ない。

 劇場映画製作側から言えば、地上波の登場、ビデオレンタル、有料衛星放送……と時代とともに共存できるのか否かを考えながらやってきた歴史がある。ここまでは、上手く折り合いをつけてやってきたと言える。

 ただ、地上波を見るより、YouTubeに使う時間の方が多くなった今、溢れるように「コンテンツ」がスマホから流れ出ている。

 映画は「コンテンツ」の一部なのか……。それとも、やはり演劇やコンサートLIVEのように多くの観客とともに楽しむものなのか……。

 映画人の矜持はあまり変わっていないように思うこともある。ぼくも最初は35ミリフィルムで撮るのが映画だ、でスタートしたので映画もテレビも同じHDカメラで撮るようになった時に、少し意識改革はあったように思う。

 残された、映画人としての「矜持」……テレビ局にいた人間としては「テレビはテレビらしく」、「映画は映画らしく」というマインドは変わってないのだが……。

 やはり、Netflixを含めて共存を模索し続けるしかないように思う。

 それは、まだまだ映画館で映画を観たいと思ってくれている多くの観客が世界中に存在する限り、創り続けたいからである。

▲2025年4月23日にNetflixで配信された樋口真嗣監督『新幹線大爆破』。1975年公開『新幹線大爆破』のリブート版であり、続編としての要素も併せ持つ。75年の劇場版の舞台は東海道・山陽新幹線だったが、リブート版では東北新幹線の東京へ向かう「はやぶさ60号」が舞台となっている。主人公の車掌を草彅剛が演じ、75年の劇場版で千葉真一が演じていた運転士役には、女性の運転士が増えている現状なども踏まえてNHK連続テレビ小説「あまちゃん」や映画『天間荘の三姉妹』の<のん>が起用された。細田佳央太、斎藤工、尾上松也、要潤、尾野真千子、坂東彌十郎らも出演している。75年版でのひかり109号爆破未遂事件の首謀者沖田役の高倉健、犯人グループのひとりでダイナマイトで自爆した古賀役の山本圭が、ニュース映像でライブラリ出演している。リブート版も高評価だった。


かわい しんや
1981年慶應義塾大学法学部卒業後、フジテレビジョンに入社。『南極物語』で製作デスク。『チ・ン・ピ・ラ』などで製作補。1987年、『私をスキーに連れてって』でプロデューサーデビューし、ホイチョイムービー3部作をプロデュースする。1987年12月に邦画と洋画を交互に公開する劇場「シネスイッチ銀座」を設立する。『木村家の人びと』(1988)をスタートに7本の邦画の製作と『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)などの単館ヒット作を送り出す。また、自らの入院体験談を映画化した『病院へ行こう』(1990)『病は気から〜病院へ行こう2』(1992)を製作。岩井俊二監督の長編デビュー映画『Love Letter』(1995)から『スワロウテイル』(1996)などをプロデュースする。『リング』『らせん』(1998)などのメジャー作品から、カンヌ国際映画祭コンペティション監督賞を受賞したエドワード・ヤン監督の『ヤンヤン 夏の想い出』(2000)、短編プロジェクトの『Jam Films』(2002)シリーズをはじめ、数多くの映画を手がける。他に、ベルリン映画祭カリガリ賞・国際批評家連盟賞を受賞した『愛のむきだし』(2009)、ドキュメンタリー映画『SOUL RED 松田優作』(2009)、などがある。2002年より「函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞」の審査員。2012年「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」長編部門審査委員長、2018年より「AIYFF アジア国際青少年映画祭」(韓国・中国・日本)の審査員、芸術監督などを務めている。また、武蔵野美術大学造形構想学部映像学科で客員教授を務めている。

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