近年も日本で『ソウルの春』(2023/キム・ソンス)を観た時に、韓国映画のダイナミズムを大いに感じ、韓国でも1000万人以上の観客動員を記録し、韓国人は、映画は劇場で観る! ことが続いているのだと思っていた。
しかし、これは世界中の現象であったが、コロナ禍で多くの映画館が閉鎖になり、再開後も映画観客がなかなか戻らない状況。
先日の韓国では、大きく分けてその理由は2つと、皆に言われた。
1番目はコロナ禍でストリーミング、OTT(韓国では皆そう呼ぶ[Over The Top])族が増えた。日本も韓国も地上波ドラマなどは苦戦を強いられているがNetflixは快調である。
実はコロナ禍前にポン・ジュノ監督はNetflix出資で『オクジャ/okja』(2017)を監督している。カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選ばれたが賞には漏れた。審査委員長のペドロ・アルモドバル監督がフランスでの劇場公開予定がない作品に賞を与えていいものか……と物議をかもした映画である(その発言は後に撤回)。製作費は当時60数億円と言われていた。
「映画」の定義とは何か……。その頃からNetflixが製作強化、配信のみの作品は「映画」ではないのか……。
家庭のモニターも60インチ以上が多くなり、音響も良く、配信の映像も格段に美しくなった。多くの人との暗闇体験……100年以上、この形を「映画」鑑賞と呼んでいたが、徐々に変わって来たことは認めざるを得ない。製作側としてはスクリーンで映える(ばえる)ことを目標に映画を創ってきたが、観る側の環境は自由であり、価値観も其々である。