「やすらぎの郷」のその後と合わせて描かれるのが、石坂演じる主人公が執筆するシナリオが想像のドラマとして映像化される「道」。これが二重構造のしかけである。山梨県の山間の村を舞台に、昭和、平成を描くもので、前半のヒロインを「やすらぎの郷」にも出演していた清野菜名、その夫となる青年を風間俊介が演じ、後半、いわば夫婦の晩年を風吹ジュンと橋爪功(新たな住人としても出演)が演じる。
「なぜ二重構造なのかというところに、今回のドラマの意味が大きくあると思うんですね。主人公が書いている「道」は、歴史というものの中に組み込まれていくしかない人間の物語。歴史を動かすような人たちではなく、そうではない人間たちというのは、どうあがいてもみても、流れに組み込まれていくんだという話なんです。それじゃすごく悲観的に暮らしていくのかというと、決してそうじゃないんだと。やっぱり生きていることを満喫しているのだということがテーマであり、そう生きないといけないよということだと思うんです。「やすらぎの郷」の住人であるわれわれ歳を取ってきた仲間も、大きな問題はいっぱいあって、それにもまれながら最期の刻を迎えるわけですが、だからといって、決してくよくよすることなく積極的に明るく楽しく生きようじゃないかというテーマがやはり重なります。そこに二重構造が垣間見られる。見てくださる方には、その辺りを考えていただけたら嬉しいと思います」と、石坂は分析する。〝テレビの人〟たちが、意欲をもって挑むドラマ作りから、熱い思いが伝わってくる。
いしざか こうじ
俳優。NHK大河ドラマ「天と地と」をはじめ、多数のテレビドラマに出演。近年では「相棒」シリーズの Season11から、映画版も含めてレギュ ラー出演中。倉本聰作品では「颱風とざくろ」「2丁目3番地」「歸國」などに出演している。
あさおか るりこ
女優。倉本聰脚本のテレビドラマには 「2丁目3番地」「3丁目4番地」「秋のシナリオ」「川、いつか海へ」などに 出演。12月27日公開のシリーズ 50作目となる新作『男はつらいよ』に、過去4作同様リリー 役で出演する。
かが まりこ
女優。1964年公開の主演映画『月曜日のユカ』の脚本は倉本聰が手がけた(斎藤耕一との共同脚本)。ドラマでは「あひるの学校」「拝啓、父上様」などの倉本作品に出演。近年のドラマ出演に「僕とシッポと神楽坂」がある。衣装協力:YUKI TORII
テレビ朝日開局60周年記念作品
帯ドラマ劇場「やすらぎの刻~道」
テレビ朝日系にて4月8日より毎週月曜~金曜 昼12:30~ 12:50 一年間連続放送
脚本:倉本聰/
出演:風吹ジュン、清野菜名、橋爪功、 風間俊介・石坂浩二、浅丘ルリ子、いしだあゆみ、板谷由夏、大空眞弓、丘みつ子、加賀まりこ、上條恒彦、草刈民代、笹野高史、ジェリー藤尾、名高達男、藤竜也、松原智恵子、水野久美、ミッキー・カーチス、山本圭、宮田俊哉 (Kis-My-Ft2)、佐戸井けん太、岸本加世子、平山浩行
主題歌:中島みゆき「慕情」「進化樹」「離郷の歌」